GE-OLOGY

野心と便宜主義で発展する今日のカルチャーにおいて、ずば抜けた能力と長きに渡って積み上げてきた実績を持ちながら、それについて語ろうとしないアーティストにめぐり会えることはとてもレアである。それゆえ、未だ謎めいた部分の多い巨匠としてその名を通すジオロジーは、間違いなく希少な存在だ。
彼のことを知るほどに、無数の変則的な点をつないでいくような彼の偉業がいかに難解なプロセスを経てつくられてきているかということを実感する。スキルの高いDJであると同時にヴィジュアル・アーティストとしての能力も授かったミュージックプロデューサーであり、世界中で賞賛されているギオロジーの活躍は20年以上に渡るが、未だにミステリアスな存在だ。
アメリカ・ボルチモアで生まれた後、80年代のニューヨークで活動を始めた彼は、モス・デフにはじまり、タリブ・クウェリ、ジル・スコット、デ・ラ・ソウル、ユキミ・ナガノ、ヴィニア・モイカ、そしてジェムといった数々のアーティストに楽曲をプロデュースしてきたキャリアを持つ。そして最もサプライジングなことに、彼が最初に出した2つのレコードはどちらもダンスミュージック・コラボレーションであった。そんな縦横無尽なキャリアを持つ多次元的アーティストであるジオロジーは、そうして今日も世界中でダンスフロアを沸かせる存在として認知され続けている。
11歳でDJを開始し、少なくともこの3、40年間に渡ってレコードを集め続けるジオロジー。ダンスフロアでよりソウルフルなムーヴを生み出し続けるべく、今日も多種多様なジャンルの音を掘り続ける。