Leon Vynehall

イギリスはブライトンのシーンで活動を開始したLeon Vynehallは、2012年にWell Rounded Housing Projectから「Mauve」EPを発表して以来、ManMakeMusic、Aus Music、Royal Oak、Rush Hourといった人気レーベルからシングル/EPをリリース、ダンスフロアを着火させるハウス・グルーヴを得意としながらも、彼のトラックには共通して心に訴えかける繊細さや家族の物語性というものがあり、そのソウルフルなサウンドのひとつの集大成となったのが、2014年に3024から届けられた話題作「Music For The Uninvited」は、子供のときに母親が車の中でかけていたヒップホップやファンク、エレクトロなどのカセットテープからインスピレーションを受けた作品で、2014年のアワードを総なめにし、Pitchfork、FACTそしてResident Advisorにて「最もエクレクティックかつ聞き応えのあるハウス作品の一つ」と絶賛された。 2016年にRunning Backからリリースされた「Rojus (Designed to Dance)」は、Pitchforkの”Nest New Music”や、Mixmag, Billboard, MojiなどのThe Best Albumなどを受賞。 そして2018年にデビューアルバム「Nothing Is Still」をNinja Tuneからリリース、 本作品は母国イギリスから1960年代に渡米した自らの祖父母へ捧げたという記憶のロード・ムービーとして制作された本作は、先行公開された「Envelopes (Chapter VI)」を筆頭に、あまりにノスタルジックで美しいダウンテンポからギャヴィン・ブライアーズやフィリップ・グラス、テリー・ライリー諸作に現行サブ・ベースを効かせたようなコンテンポラリー・ミニマルまで抜群のテクスチャー・フェティシズムで捌かれたコラージュ・アートへと着地。 プロデュースと大部分の音をヴァインホールが演奏し、客演はエイミー・ラングレーがアレンジした10人編成のストリングス、フィン・ピーターズ (サックス、フルート)、Konkスタジオで行われた最後のレコーディング・セッションに参加したサム・ベステ (ピアノ)。ミックスはロンドンにてブルー・メイが、マスタリングはニューヨークにてSterlingSoundのグレッグ・カルビが担当。アルバム・アートワークには、ヴィジュアル・アーティストである故ポル・バリーの「Cinetisation」から「George Washington Bridge, NYC」の写真が採用された。 そしてDJとしても、ハウスに留まらない幅広い選曲で世界各地のフロアを魅了している。XLR8RやFACTに提供したミックスや、Essential Mix of the YearにノミネートされたBBC Radio 1でのプレイ、またはBoiler Roomとのインタビュー/ミックスショウを聴けば、彼がいかにファンクからディスコ、ヒップホップ、ガラージ、レゲエまでを違和感なく繋げる折衷主義的なアプローチが得意かわかるだろう。ちなみに、Ninja Tuneのラジオ番組Solid Steelのために制作したミックスは、自身が作った未発表のヒップホップ・ビートのみで構成されるという驚きの内容であり、この路線でアルバムが出せるほどのクオリティであった。 2019年にはDJ KICKSに登場、彼が影響を受けたエレクトロニック・ミュージックを軸に、ポスト・パンクからヒップホップまで幅広い音楽性を武器に絶妙なバランス感覚で構成された全26 曲 は、BPM が79 から169 までと云う実に振り幅の大きいチョイスで彼の音楽遍歴を語っていくようなストーリーに仕上がっている。